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ジャパングラフ第1号



去る12月12日にJAPANGRAPHというグラフ誌を創刊しました。
僕と5人の仲間で共同運営している(株)七雲からの初めての出版です。







創刊第1号は滋賀県を1冊まるごと特集した内容です。
この5〜6年の間にいろいろと温めてきた事を、それぞれテーマとして設定しました。
情報を扱う本ではなく、人の暮しそのものをみつめていく。
そういう内容で構成しています。

おかげさまで1号は七雲の在庫はなくなってしまいましたが、
ジュンク堂書店などで扱ってもらっていますので、
そちらには在庫があるはずです。
よかったら買ってください。










posted by nanakumo | 18:39 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
続、たんぽぽとぼたん



たんぽぽのはなしのつづきからです。
どう不思議な感じがしたのかというと、
なんか僕や嫁さんにかかるストレスというのか、
よくないモノをたんぽぽが吸い取ってくれていたような、
そんな気がとてもする。
子育てのイライラとか、仕事や人間関係のイライラなど。
別になんの証拠もないけれど、
そういうことを感じた。
まあ癒されていたんでしょうね。


八方美人で誰にでもすぐなつくし、
家に来た人や、道であった人に吠え立てるということもあまりなかったが、
制服を着ている人にだけは何故かよく吠えていた。
となりの公園で遊んでいる子供達が「たんぽぽ」と呼ぶと、
横になっていても、のそっーとおきて、
フェンスまで歩いていき、子供達にさわられていた。
僕の顔を見て、「もうええか?」という顔をして。
なんか悟りきっていたような犬だった。


























 








若いときは元気に野山を走り回っていたのに、
12歳を過ぎた頃から、散歩にいってもすぐにかえりたがるようになり、
自分より幼く若いと思っていたたんぽぽが、
いつの間にか自分を追い越して、さきに年老いて行く姿を見て、
時間の感覚というものを疑った、
たんぽぽと自分は別の時間軸で生きているのだということを知らされた。
どうしようもなく違う世界に生きている。
そうおもうとよけいに胸が傷んだ。

どんな犬でもおなじだと思うけど、
老いていく姿を目にするのは辛い。
だけどイヤオウなく、生きているものは必ず年老いる。
ということを突きつけられる。









だんだんと腰が立たなくなっていった。
人間と一緒で寝るときはおむつをするようになり。
ずっと外で飼っていたからそのまま外で寝起きをしていた。
でもそんな日々は3ヶ月も続かなかった。
年が明けて、2月3日の節分は雪が舞う寒い日だった。
その前日の夜、おなかがぱんぱんに腫れて来たので、
近くの獣医さんに行ったら「残念ですが、老衰です」。と言われた。
翌日の朝、たんぽぽは嫁さんに看取られてしずかに息をひきとった。












おおげさな話と思われるかも知れないが、
僕は本当にたんぽぽに会えて良かったと思った。
それだけに悲しかったが、その存在の大きかったことをあらためて感じた。
それと同時に「生き物ってこんなに簡単に死ねるんだ」と知らされた。
何ヶ月も何年も病院に入っていろいろな手当を受け、
生と死の境をさまようことが多い人の死に様とは比較にならないほど、
あっけない最後だった。
獣医さんの診察台で横たわるたんぽぽを写真に撮った時、
最後のお別れをしたように思えた。

春が来て桜が咲き、緑がいっせいに芽を吹き、
外に出てぬるんだ空気を吸うと、心地よい春の夜の匂いがする。
その辺からふらっとたんぽぽが現われて来そう。
いつまでもここにいてほしいと願って、庭に小さな石で塚を作った。







posted by nanakumo | 18:38 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
たんぽぽとぼたん
 ずいぶんと間が空いてしまいました。
けっして特別に忙しいわけでもないのに、ただずるずると悪い癖で時間が過ぎてしまい、
気がつくともうブログを開くのもためらわれて、
臭い物にはふたをしろとかいうけれど、
自分で自分のむらっけがおぞましく、
ふたがとれずにここまで来てしまいました。
あーいややなー。自分のいい加減さが。
皆様こんなやつですが気が向いたらまたのぞいて下さい。

気を取り直して。
書いてみます。

たんぽぽとぼたん。
なんか花の話のようなんですが、実は秋田犬の名前なんです。

小学生の頃、家の近くの酒屋の先輩の家に大きな秋田犬が3頭くらいいて、
いつもは鉄の犬舎に入っているんですが、夕方になると先輩が2頭くらいつれて、
散歩のため小学校にやってくるんです。
子供の僕にはその犬がライオンか虎のように見えて、
近寄りたいけど近寄れない、怖くて。
でもなんかすごい犬という印象が頭に焼き付いていた。

















































大人になり犬のことなんかまったく考えていなかった時に、
たまたま車で走っていて、歩道を行く白い大きな犬が振り向くのを見たんです。
それもイギリスのロンドンの街の中で。
目と目が合ったように思えて、印象深く記憶に残って、
その犬の美しく愛くるしい姿が頭に焼き付いてしまったのです。




あれは絶対秋田犬だ。
なんとなく確信めいたものがあって、帰国後さっそく秋田犬のことを調べてみたら、
家の近くのペットショップなどではまったく取り扱いがなく、
どこへいっても「みつかったら連絡します」というだけでまるで連絡がない。
20年近く前の事なのでインターネットなんてないし、
困ったなぁと思いながらずるずると時間が過ぎていった。
そんなとき先輩が「家の近くに秋田犬の店があるよ」と教えてくれた。
三歳の息子と身重の嫁さんをともなって、
「ちょっと見に行こ」と皆を誘い出した。








その帰りにはしっかりと一匹の愛くるしい子犬が、
車の荷台に遊んでいた。

これがたんぽぽなのです。

その6か月後に嫁さんは無事次男を出産。
今から思えばほんとに無茶なことをしてたなぁと思う。

子供達もたんぽぽも無事にすくすくと成長し、
近所では「家族より犬を大事にしてる」と言われてたとか。








たんぽぽは店の主人が太鼓判を押しただけあって、
本当に性格の良いおとなしい犬だった。
秋田犬は天然記念物に指定されているので、
血統書の登録など事細かく協会から連絡があった。
名前については最後までこのままで本当に良いのか?
と何度もねんを押されたりもした。

それから15年。
この秋田犬は僕の家にいて、家族とともに暮していた。
体が大きく存在感があるので単にペットという感覚だけでは言い表せない、
不思議な感覚をこの犬から感じていた。
よく言われる家族の1員という感じでもなく、
人間と犬の関係の不思議さのようなもの、というのだろうか?








  




散歩の途中で突然座り込んで動かなくなることも度々あったし、
山が好きだったのでよく散歩にでかけたんですが、
山の自然の中では、その姿がとても神々しく見えたりして。
たんぽぽの方が僕よりも威厳がある、という事実を突きつけられるわけです。
生き物としての威厳のようなものを持っている犬なんです。

長くなりそうなのでこの続きは近いうちに.....。











posted by nanakumo | 00:31 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
宇部ー大分ー長崎
 大阪を拠点に活動している木村充揮さんというミュージシャンがいます。

知る人ぞ知る『天使のダミゴエ』と言われるブルースシンガーです。

その木村さんが毎年5月から6月にかけて『ひとり旅』というツアーをしています。

木村さんはほとんどきたみきたままでギターだけもって、

お呼びがかかれば全国どこえでもでかけていき歌う。

ときには松山の幼稚園だったり、

博多の能舞台だったり、

喜界島のライブハウスだったり、

と、そのつどいろんな会場があって

なにより暖かいその土地の人々が木村さんを待ち構えている。

木村さんの魅力とその土地土地の楽しさにひかれて

3年前から時間をとって同行させてもらっている。

今年は5月23日の宇部から24日の大分それから長崎へと行ってきました。






宇部のBig Hipも良かったし、大分のBRICK  BLOCKも盛り上がったし

久々に生の木村さんのダミゴエはそうとうに快感やった。

僕は27日には仕事のため長崎が最後になってしまったのだが、

その長崎での事をすこし書いてみます。



一人旅のプロデュースをされている尾道のけんさんと木村さんと僕の3人は、

けんさんの友人で、陶芸家の右近さんのうちで1泊させてもらうことになり、

右近さんが住んでいる寺町へと向かった。

山の斜面にそっていろんな宗派のお寺が建ち並び、

長崎らしい石畳の路地がいくすじもある。

右近さんは僕達を興福寺というお寺に案内してくれた。







興福寺は黄檗宗を開いた隠元禅師が、

日本に来て最初に建てたお寺だとご住職からきいて

僕はちょっと驚いた。

僕の生まれ育った京都府宇治市にも隠元禅師が建てた

黄檗山萬福寺というお寺があり、子供の頃は遊び場だった。

長崎に来て不思議にも隠元禅師にご縁のあるお寺に来ようとは。

南京寺とも言われるこの興福寺は開放的な庭がとても気持ち良く、

大きなソテツが印象的だった。

スキンヘッ頭の木村さんとけんさんはとても興福寺の風景になじんでいた。






ほとんどはじめての長崎はなんとなくゆったりとした時間が流れていて

開放的で南国の気配が感じられて、ねこがたくさんいた。

とは言え、僕達は寺町と思案橋にあるTin Pan Alleyのあいだを

うろちょろとしていただけだけれど。

ふと通りがかったちいさな市場で僕は忘れられない経験をした。

午後の町を6人でぶらぶらとしていたら、

6〜7軒の屋台のような店が並ぶ市場があった。

おばあさんもおっちゃんも、おばちゃんもおじいさんも売る気がないのか、

昼寝してたりおしゃべりしてたりで、とにかく僕達にはおかまいなし。

活気というのはまるでないのんびりとした空気。

店先に並べられた売り物のなかに、

茶色い黒糖の延べ棒のようなお菓子があって気になった僕は

『これは何ですか?』とおじいさんに聞いてみた。

小柄でメガネをかけたその人は、にこにこと微笑みながら

『ヨウカンでございます』と答えてくれたのだが







その声とことばのなかに

邪心がないというのか、欲がないというのか

とにかくすがすがしくココロにひびいてしまった。

こんな日本人にはじめて会ったように思った。

同時にこんな日本人がいるというのを知った。

とてもうれしかった。

まるで異国に来ているみたいだった。








ギタリストの浜やんとデビュー目前のシンガーはるちゃんは

首をナガークして木村さんが長崎に来るのを待っていた。

二人ともリハーサルからかぶりつきで

本番はかけつけた木村ファンでおおいに盛り上がった。

木村さんはいつものように、でもたった1度のこのライヴを誰よりも楽しんでいた。

『お、おかわりー』 とさけを飲みながら。





一人旅は、場所から場所へとつづく旅

明日はまたちがう人達が、

おもいおもいに木村さんのうたを聞きにきて

また来年会いたいとわかれていく。

場所から場所は、人から人へとつづく旅だった。

























posted by nanakumo | 20:14 | - | comments(0) | trackbacks(0) |
パラダイス




 はじめまして。

今日からブログをはじめることにしました。

自己紹介をしておきます。

七雲は写真家のあつまりで今ふうに言えばユニット、

昔ふうにいえば寄り合い所帯です 去年の3月から運営しています。

若くて可能性を秘めた写真家が日々あがいています。

僕はまもなく50才になる唯一の例外です。

詳しい事はホームページをみてください。



ブログのタイトルの『けしき』ということばは、

風景の景色であり、ひとのココロの状態をさす気色、という意味もこめています。

現実の風景に自分のこころを重ねあわせて僕達はいろんなものを見ている。

同じ風景を見ても僕とは全然違う事をあなたは感じるかも知れない。

あたりまえのことだけど、そんな事をここでは書いていきたいと思っています。


5月はとっても気持ちのいい季節ですね。

湿度が無くからっとしていて、太陽がさわやかで、

芽吹いた新緑が心地よく、山が美しい。

それと青い花が咲く。桐に藤、ショウブにテッセン。

ことのほか季節感を感じる。





1月から滋賀県の草津市にある下笠町というところのお祭りを取材していたので、

5月にみなぎるような季節の力を、いつも以上に感じる事ができたように思う。

草花のみならず、鳥や虫やカエルや魚たちそして水や土までもが生きる力に満ちている。

人々は祭りをとうして、春の力を神さまとして招き迎えているかのようだった。

ちいさな集落の行き届いた手作りの祭りのすがたを見て、

地域や自治というものの本来のあり方を教えてもらったような気がした。

下笠はパラダイスです。ほんとにパラダイス。







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posted by nanakumo | 16:54 | - | comments(31) | trackbacks(0) |